偏ってる映画日記

主に映画、ごく稀に本についての感想を自由に書いています。

映画『アデル、ブルーは熱い色』

2013年フランス映画。

アブデラティフ・ケシシュ監督。

アデル・エグザルホプロス、レア・セドゥ主演。

 

第66回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、監督の他、史上初めて主演女優の2人にも贈られた。

 

原作は、ジュリー・マロ『ブルーは熱い色』。

 

 フランス映画好きでこの映画を知らない者はいないんじゃないかというく

らい、名作である。ずいぶん前に観たのだが、やっと感想を書く気が出てき

たので忘れないうちに。

 

 ざっくりあらすじを言うと、普通に学校に通う女子高校生アデル(アデ

ル)が、自分がレズビアンであるということに気づき始め、画家志望の専門

学生エマ(レア・セドゥ)に恋をし、付き合い始め、社会人になり、ちょっ

としたすれ違いから過ちを犯し、別れが訪れ、お互い別々の道を歩き出す、

といった内容で、ひとりの女の子の成長物語のような感じである。

 

 この映画の良さは、まず、映像の美しさである。フランスの日常的な、普通

の街並みと、二人の美しい女の子とが最高にマッチしているし、この二人の

女優そのものの美貌と素晴らしい演技に目が離せなくなる。

 そして、序盤から徐々に自分が男の子より女の子に興味があるのだと気づ

いていく葛藤を含めた心理的描写や、周囲の友人たちとの関係性の変化の表

現が秀逸すぎる。

 この辺まで観た時点では、こういったLGBTの生きづらさ、人とは違うこと

への葛藤等のどちらかと言うと社会的な面がテーマなのかと思ったのだが、

最後まで観た感想はガラリと変わっていた。

 

純粋な恋愛映画だった。

 

 しかも、その辺によくある、いわゆるキュンキュンする💕みたいな恋愛で

はない。かといって悲恋を美しく描いたようなものでもない。もっと泥臭

い、現実的な恋愛の葛藤を描いた作品だった。アデルのエマに対する未練の

気持ち、こういう気持ちをこんなにうまく表現した恋愛映画ってなかなかな

いのではないか。この脚本と監督と二人の女優それぞれの高い表現力があっ

てこそ、ここまでの作品に仕上がったのだろうと思う。

 

 ひとつの恋が終わって、まだ想いはあるけれども、どんなにその想いをぶ

つけても、どうすることもできない、相手の心は変えられない、次の道に進

むしかない現実。

 小さい頃に欲しいものをどんなに泣いて駄々をこねても買ってもらえなか

った時のような気持ち。

 

 観終わった後の、やるせないなんとも言えない感覚。

 

 終盤のアデルの後ろ姿からは、女性として精神的に少し成長したようなそ

んな印象を受けた。

 

 フランス映画独特の理解しにくい描写や展開は無く楽しめると思うので、

興味のある方はぜひ観てみてほしい映画です。

 

 

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