偏ってる映画日記

主に映画、ごく稀に本についての感想を自由に書いています。

映画『きっと、うまくいく』

2013年日本公開のインド映画。

監督はラージクマール・ヒラニ

2010年インドアカデミー賞史上最多16部門独占。

 

・・・・しかしインド制作映画は初めて観るし、インド人俳優はさっぱりわからない。人気なのかそうじゃないのかもさっぱり。インドにも行ったことないし。

そんな状態なのにこの映画を観ようと思ったのはなぜか?深い意味はなく、なんとなく手に取ってしまったから。数ある映画の中で、この映画だけがインド映画で、しかもかなりおすすめ扱いにされていたから。これだけマイナーな国の映画を押すってことは相当面白いからに違いない。

で、結果としては・・・・かなり面白い良い映画だった。

ストーリーは単純明快で、全編通してコメディタッチ。学園ものというのか、大学生活が舞台となっている。

 

超エリート工業大学に入学した落ちこぼれのファランとラージュー、超変わり者のランチョーという3人の学生生活を笑いあり涙あり少し恋愛も挟んで描いている。

このランチョーという若者が、とても良いキャラをしていて、彼の日々の言動が、レールが敷かれ、やりたいことも諦めエンジニアになることだけを目指して勉強してきた仲間たちやその家族、学長の心に変化をもたらしていく。

ありえないむちゃくちゃな設定もたくさんあるが、それがまたこの映画を面白くしている。

この映画には一貫したメッセージが込められている。

 

好きなことをして、好きなことを学び、好きなことを仕事にしろ。成功は自ずとついてくる。

 

私には最初から最後までこう言われ続けている気がした。

もちろんランチョーが10年後に科学者として、ファランが動物写真家としてそれぞれ大成功を収めていることなどは、ただの映画だし好きなように作り上げられる話ではある。しかし、このランチョーの言う勉強や職業に対する見方には考えさせられるものがある。ランチョーは、機械が大好きで、機械のことを勉強したくて大学にきた。他の仲間たちは、親がエンジニアになってほしくて、お金をかけてくれてきたからとか、好きなことじゃ裕福になれないとかの理由で勉強し、特に好きでもない学問を修めるために大学に入ってきた。

この違いは非常に大きい。好きなこと興味のあることを学ぶ時と、興味のないつまらないことを学ぶ時とでは、使う労力が全然違う。好きじゃないことを無理にしようとする時というのは膨大なエネルギーを消費する。そして、膨大なエネルギーを消費する割にはせいぜい人並みくらいの出来にしかならず、またしばらくするとすぐ忘れてしまう。

 

ふと自分の大学生の頃や選んだ就職先のことを思い出していた。本当に興味のあることや好きなことを追求しようとは思っていなかった。周囲からどう見られるか、親がどう思うか、最低限世間的に恥ずかしくない大学、会社、自慢できる職業。それがまず基準にあった。そして今から考えるとありえないことなのだが、職業を選ぶ時に、「自分の得意なこと」や「好きなこと」ではなく、「不得意なこと」「将来役立つスキルが身につきそうな職」を探した。結果、それなりに当時の自分の望む会社で望む仕事をすることになったが、そんな選び方をしているもんだから(※器用な性格の人であればそんな選び方したってうまくやれるのかもしれないが)、同期ができることが自分はスムーズにできず、かなり努力しないと追いつけないことになった。いや、努力してもしても追いつけないし、その努力がまたしんどいのだ。やらなきゃいけないとわかっているのにやる気が起きない。そして、仕事で成果挙げられても、あまり嬉しくなく、やりがいもなく。どんどん自己評価は下がり、ただ生きているだけの状態。

もし、高校生3年生のあの頃の自分、あるいは就職活動のあの頃の自分に声をかけられるなら、「自分の得意なこと、好きなことを基準に選べ」と言いたい。

しかしまた、あの頃の自分は周りからこんなことを言われたところで聞く耳持たなかっただろうなとも思う。

 

非常に単純な笑える映画だが、だからこそ、将来ある子供たちに観せたい映画だと思った。

 

 

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