偏ってる映画日記

主に映画、ごく稀に本についての感想を自由に書いています。

映画『サンローラン』

2014年フランス・ベルギー合作映画。

ベルトラン・ボネロ監督。

主演ギャスパー・ウリエル、ジェレミー・レニエ。

アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥも出演している。

 

2014年第67回カンヌ国際映画祭セザール賞、最優秀衣装デザイン賞受賞。

 

 内容は、イヴ・サンローランがデザイナーとして最も成功していた1965年〜19

76年頃の日々をメインに描かれている。

 

 イヴ・サンローランを演じる俳優(ギャスパー・ウリエル)がかっこいい。線が細く

美しいので、お洒落な格好がとてもよく似合う。

 ざっくりあらすじを言うと、兵役時代に患った精神疾患を抱えたイヴはフランスモー

ド界でデザイナーとして大成功しており、なんやかんやスランプ的な時期も繰り返しな

がらも精力的に製作に勤しんでいる。美しく魅力的な女性をスカウトしては自分の作品

のモデルとして周囲に侍らせ、また女性の魅力を最大限に引き出し喜ばせることにも長

けていた。しかし、彼はゲイであり、公私ともに支えてくれる恋人ピエール・ベルジュ

(ジェレミー・レニエ)がいる。そんな中、イヴは他の男ジャックに恋をし、アルコー

ルやドラッグに溺れていく・・・・

といった内容である。

 

 ファッション業界に詳しくないので、「おお!これはイブサンローランの〇〇の時の

作品だ!」のような感激は特に無いが、とにかく美しい服が沢山出てくる。モード系フ

ァッションでは往往にしてあることだが、日本で着ることはできないような服ばかりだ

が。パーティだろうがデート服だろうが日本で着てる人いたら変人扱い間違いない。

あ、原宿とかでなら浮かないのかな。

 とにかく自分が着て楽しむというより絵画のように観て楽しむ感じである。

 

 話自体はまあ想像通りというか、芸術家とかにありがちな破滅的な人生をたどってい

て、そんなに面白みはない。そもそもあんまりそこを表現したいわけではないんじゃな

いかな、と思う。イブサンローランの作品の美しさをひたすらに表現したいだけなんじ

ゃないだろうか。実際最初から最後まで美しい映像で、綺麗なものが好きな人は楽しめ

ると思う。

 

 しかし、画家やらデザイナーやら作家やら芸術家ってほんと恋愛に関して奔放だと思

う。また同性愛者も多いと感じる。尚更奔放に映る。ファッション業界で働く友人が言

うにはやはりゲイの人とかよくいるらしいので、実際そうなんだろうなあ。あと、お酒

にもよく溺れているイメージがある。繊細で自由気まま、自分の感性を大切にしている

からそうなるのか。あまり平穏に生きているイメージがない。いつも何かに苦しんでい

る感じ。やはり偉大な芸術というのは平穏で平凡な感性からは生み出されないのか。多

くの人と違う視点と感性を持っているからこそ生み出せるものなのか。

 

 美大出身の画家の友人によると、美大生は普通と言われるのが嫌で、変わってると言

われることが褒め言葉だという。私は昔から変わってると言われ続けてきたが、それが

嫌で嫌で辛かった。人と違うことが恥ずかしくて普通だね、と言われたかった。普通に

しようとしても周りから浮いてしまい、自分という人間に自信が無く自分のおかしな行

動を否定していた。しかし、「変わっている」ということを嬉しく思う人達がいること

を知り、また例えば美大や芸大のような、そんな人達が集まる場があるということを知

り、自分はこのままでもいいのかもしれないという思いを持つようになった。

 やはり、学校、職場、あらゆるコミュニティには合う合わないがあり、自分に合った

場所や仕事を見つけてそこでやっていかないと常に苦しい人生になるだろう。いわゆる

「普通の人」が芸術家の集まりに入ってしまうと苦しむことになるのだろう。これは子

供のいじめや不登校の話にも通じるところがあるのではないか。子供の頃は視野が狭く

世間も狭いので、家族と学校このコミュニティが全てで、他に行っても同じで、自分が

認められる場所なんてないんじゃないかと思いがちだ。そんなことはないんだ、もっと

世界を見ろ、と言ってあげたい。その常識は常識ではないんだと教えてあげたい。

 

 

 

 

 

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