偏ってる映画日記

主に映画、ごく稀に本についての感想を自由に書いています。

映画『シザーハンズ』

1990年公開。アメリカ映画。

監督はティム・バートン、主演はジョニー・デップ、ヒロインにウィノナ・ライダー

 

今から30年弱前の映画なのでさすがに映像もファッションセンスも古い。とはいえ、全体の色使いや建築物がポップで可愛くて素敵である。

 

【あらすじ】

 ある日、化粧品販売員であるペグ(ダイアン・ウィースト)が、人里離れた場所に建つ古い屋敷に訪問販売のために立ち入ったところ、住人であるエドワード(ジョニー・デップ)を発見する。顔も継ぎ接ぎだらけ、手は巨大なハサミで出来た、人の心と脳を持つエドワードに同情したペグは、自分の家に連れて帰り、家族と共に歓迎する。

 そのハサミに関する卓越した技術により、心優しく素直で純粋な性格も相まって、エドワードは次第に人気者になる。

 しかし、その優しく純粋すぎる性格ゆえに、犯罪の片棒を担がされた挙句、罪を自分だけに着せられてしまう。そこから、周囲の人間たちは手のひらを返したようにエドワードを恐れ嫌悪し始める。

 結局、エドワードは屋敷に戻らざるを得なくなり、また、もとの孤独な生活に戻り生きていくのである。

 

 

 まず、冒頭の訪問販売中のペグの行動に若干イラつきを覚えた。家までの細い道をきっちり歩く姿や空気の読めない営業の仕方・・・真面目すぎて融通を利かせられない感じと、服装に合わない顔つき、メガネ・・・。で、訪問するところが無いからといってどう考えても化粧品買う人なんて住んで無いだろ!って感じの古屋敷まで販売活動しにいくズレかた。けど、エドワードを発見してから連れて帰る頃には、ペグの優しさや情の深さに、好きなキャラに変わってしまった。

 しかし、面白いのは、どう見てもまともじゃ無いエドワードを連れて帰ってきても、旦那も息子も割と問題なく受け入れ、家族の一員として迎え入れていることだ。近所の皆も大騒ぎで単なる好奇心から集まってくるが、どう見てもあんなおかしな風貌の男普通じゃ無いしどっちかというと恐怖心のが先行しないか?と疑問が起こる。娘のキムの反応が一般的だろう・・・

 それから、エドワードにヘアカットをさせたらセンス良くて腕がいいってことで皆カットしてもらい始めたが、何あの髪型!って感じの奇抜さで意味不明だった。あの当時には流行ってたんだろうか・・・。

 

 このお話は、インタビューにおいて脚本のキャロライン・トンプソンも言っているように、寓話である。どこにも現実的な部分はない。現代版のおとぎ話である。舞台となる街も、住宅、車、全てパステルカラーで、街全体が一つの創作物のような、一軒一軒の個性はない。途中美容院開店資金のために行った銀行も、BANKとのみ書かれていたり、社会を単純化し、最低限の表示だけで表している。現実ではない、おとぎ話だ、ということを強調しているのである。

 

 この映画において印象的だったのは、対比である。パステルカラーの街と陰気な黒い寂れた屋敷、ちょっとした噂もすぐ広まり、ご近所づきあいが濃密な群れている人々とひとり孤独にひっそり生きる者・・・そして、皆好奇心いっぱいで、エドワードに群がる中で、特に関心も示さず、どちらかというと嫌悪感の方がありそうな高校生のキム。この周囲の人々がエドワードを避け始めるのとは反対に、キムはエドワードに惹かれていき、愛するようになる。

 

 この、周囲の人々とキムの反応については思うところがある。結局のところ、人は他人の表面上の部分だけ見てもてはやし、真実なんて見ようとしていない。表面上のすぐわかるところだけで判断して決めつけてしまうのだ。そうやって気に入られたり仲良くなったりしても、ちょっとしたことで手のひらを返されるし、離れていく。本来の人間関係の形成とはキムとの関係のようでなくてはならない。少しずつ相手を知り、信頼や愛情が芽生えていくものだ。私が今まで生きてきて気づいたことのひとつが、まさにこの点である。最初から感じ良い人や、寄ってくる人というのは高い確率で後から関係が悪くなったり、悪くならないにしても無関係になったりする。逆に、最初は自分の中で存在が薄かったり、好感度が低めだったりするような人の方が、非常に親密になることが多い。それを意識するようになってからは、最初感じがよく、信頼できそうだと思えても、腹は割らないし、信用はしないで様子を見ると決めている。様子見した上で本当に信頼できると思えたなら仲良くしていけばいいし、そうじゃなければ深入りしないでおけばいい。この話のエドワードは人と関わってこなかったために、そんな人間関係への免疫は全く無く、周囲に振り回されている。まさに若かりし頃の自分だ。(別に有名人でもなんでも無いが)しかし、一般人の私でもこんなことで一時期人間不信気味だったのだから、世の有名人やお金持ち達は大変だろうなと勝手に想像してしまう。自分の表面上の地位や名誉やお金に群がっているのか自分自身を好んでくれているのか混乱しそうじゃないか。

 

 あと、若かりし頃のウィノナ・ライダー平山あやに似ていて変な感じだった。ジョニー・デップも全然顔違うからわからなかったくらい。どっかのチャラいあんちゃんだし。今は太ったからか目の大きさも違うように見えるし、貫禄もある。

 

ティム・バートンらしいコミカルな描き方だが最後は泣けるお話。

 

他にもいくつか考えさせられる部分があったが、長くなるのでひとまず終えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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